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白蘭の木 香港 京都

しぼんだ結婚生活を切り上げ、父は私を連れて、大叔父さんの家に居候させてもらった。マンションと違ってこぢんまりの中庭が付いてた平屋はとても新鮮で喪失感が暫く紛れ、小学生の私は中庭で植わっている白蘭の木をじっと見ていた。
花がちらほら咲き初め、昼過ぎの光で危うげに揺れて、風切羽が切られた白鳥みたい、飛んで行きたくてもいけないまま、呆気なく苔に覆われた地面にぽたぽた落ちるまで待つしかできなかった。